六時前に目が覚めた。
底冷えがするので、小鍋で湯豆腐をつくって、朝から酒。といっても一合は飲んでいない。せいぜい五勺。
ちょっと飲んで体が温まってきたところで、もう一度寝る。
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午後。先週購入した、平凡社の 〔作家の酒〕 という本を拾い読み。
B5変型判、144ページ、フルカラー。26人の作家たちが愛した、酒と、肴を、簡潔な文章と趣のある写真と共に紹介している。
井伏鱒二がいる。三島由紀夫がいる。赤塚不二夫が、星新一が、黒澤明や小津安二郎が、思い思いのスタイルで、好きな酒を、好きなように飲んでいる。
実に、いい。
飲みたくなる。
で、飲む。
肴は、近所の肉屋で買ってきたメンチカツと、砂糖をたっぷり入れた酢にミニトマトを小一時間ほど漬け込んだ、即席のピクルス。酒は、ウイスキーのソーダ割り。
何の予定もない休日の午後に、こういう本をぱらぱらとめくりながら、のんびりと一杯やるのは、とても楽しいものだ。