海老名のTOHOシネマズで、ジェームズ・ディーン主演 〔エデンの東〕 を観る。
学生の頃、一度ビデオで観たことがあるのだが、その時の印象は、「まあまあ」 といった程度のものでしかなかった。きっと、名にし負う名作であるという、過度な期待があったのだろう。
今日は比較的フラットな気持ちで臨んだせいか、古色蒼然たるシネマスコープにしろ音楽にしろ、名作と呼ぶに相応しい風格を備えているように思えたし、映画の教科書の如きエリア・カザンの演出は、父子の相克と和解の物語を、格調高く、2時間の中にぴたりと収め、間然するところがない。
ことに、ラストシーンに至る後半三十分のドラマティックな展開は、ディーンの繊細な演技と相俟って、泣くまいと思っても、自然に涙があふれてきて、どうしようもない。
昨今の映画と違って、エンドマークのあと、すぐに場内が明るくなるので、困った。
「映画を観た」 という充実感で胸がいっぱいになって、劇場を出る。
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今、パソコンで 〔エデンの東〕 と検索すると、ジェームズ・ディーンのそれではなく、同名の韓流ドラマが真っ先に引っかかってくる。
だからというわけではないけれど、映画のあとは、韓国料理の 〔青唐辛子〕 で、熱々の石焼ビビンバを食べ、冷たいビールを飲み、イイ気分になって、帰る。