内田百閒の随筆 〔阿房列車〕 の、その書き出しに、『なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う』 とあって、いいなァ、そんな気分で旅したいなァと、かねがね思っていたのだが、夏も終わりの三連休、ついに意を決し、そんな無用の旅に出ることにした。
ただし、胡乱亭のそれはややスケールが小さく、日帰りで、都電荒川線に乗って、早稲田と三ノ輪橋の間を行ったり来たりしてやろうと思う。
なに、遠い近いは問題ではない。遊び心と、ほんのちょっとのアルコールがあれば、きっと楽しい旅になる。 はずだ。