午前九時。S 氏、来邸。
昨夜のこと。「明日の朝、ちょっと寄るから」 と連絡があり、何ごとかと思っていたら、潮干狩りに行ってきたからと、大量のアサリを持ってきてくれた。
午後一時。野毛へ。夏と冬、年に二度ある小せんさんの独演会 〔横濱小せん会〕。
この会は、いつも小せんさんが二席喋るのだが、今日はどういう風の吹きまわしか、〔鷺とり〕〔死神〕〔お見立て〕 と三席演って、なんだかちょっと得した気分。
本人は汗まみれで熱演しているのだが、客席に届く小せんさんのその声は、いつもの如く、のんびり、涼やか。
ゲストとして、鈴々舎八ゑ馬 〔手水廻し〕 と、伊藤夢葉の手品。二人とも、小せんさんに負けず劣らず、大らかな芸風。
外は暑いが、そこだけ “春” に戻ったかのような、のどかな会だった。
終わって、伊勢佐木町の 〔お可免〕 で、鯛と、麦イカの釜めし。他に、玉子焼きと、鱧の湯引きで、瓶ビール一本、酒一合。
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デザインも、使い勝手も気に入って、長いこと愛用してきたカバンが、だいぶくたびれてきている。
「バーゲン期間中だから、今日、買い替えちゃえば?」 と、ミセスにそそのかされ、ちょっと酔ってることもあり、その気になってデパートへ。
しかし、なかなか 「これ!」 というものが見つからず、さんざんうろついた挙句、ドラッグストアで、大特価88円の 〔NEWクレラップ〕 を、四本買って、帰る。