ミセスが今、沖縄旅行をしているから、なんとなくこちらも休日気分になって、会社をサボっ・・・ いや、有休をとってみた。べつに用事も何もないのだけれど、用事がないから有休を使ってはいけないという道理はない。
休みをとって 「何もしない」 というのが、有休のもっとも有意義な使い方であると心得てはいるのだが、未熟ナリ胡乱亭、未だそこまでの境地には達しておらず、休んだからには 「何かしなくちゃ・・・」 という、焦りにも似た思いに駆られるばかり。
で、何をするかッてえと、寄席に行く。
国立演芸場 〔三代目橘家文蔵 襲名披露公演〕。
平日の昼間でも、けっこう客ってのは、いるもんだねえ。ほぼ満員の大盛況。
前座・いち花 〔堀の内〕
花ごめ 〔たらちね〕
小せん 〔鷺とり〕
ペペ桜井 〔ギター漫談〕
正雀 〔鼓ヶ滝〕
さん喬 〔そば清〕
~仲入り~
襲名披露口上
アサダ二世 〔奇術〕
一朝 〔幇間腹〕
ロケット団 〔漫才〕
文蔵 〔試し酒〕
文蔵、ちょいとお疲れのようにも見えたが、気のせいだろうか。
〔試し酒〕 は、過日、小朝でみたものが抜群に面白かったので、どうしてもそれと比べてしまって、ちと分が悪かったかな。
大きな盃に注がれた酒を、ぐいッ、ぐいッ、ぐいーッと飲み干すまでの、その “間” が難しい。今日の文蔵は、たっぷりと時間をかけて飲んでいた。一升という量を飲み干す時間をリアルに考えて演じたのかもしれないが、ちょっと間が延びた。ほんのひと呼吸の差だが、そこに違和感があった。
文蔵らしい 「気持ちのよい飲みっぷり」 を示すには、リアルよりもリズムを重視して演じた方がよかったのではないだろうか。
スミマセン、生意気言って。
他に、「ほんとうに馬鹿馬鹿しい噺をします」 と断って、ほんとうに馬鹿馬鹿しかった小せんと、さん喬の、ぼやーっとしたそば清、小気味よくてやがて悲しき一朝の幇間が、それぞれ印象に残った。
それと、披露口上の席で打つ三本締め。あれは気持ちがいいねえ。
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せっかく半蔵門まで来たのだから、〔ソラノイロ〕 でラーメンを食べて、帰る。