会社の創立記念日ということで、毎年六月の最初の土曜は出社日になっている。
午前中に勉強会があって、昼は食事を出してくれるので、それを食べて、解散。
帰途、映画館に寄って、中島哲也監督の新作 〔告白〕 を観る。
いま、日本で最もクオリティの高い映画を撮る監督のひとりなので、期待をしていたが、その期待をはるかに上回る出来栄えで、嬉しくなってしまった。
ただし、楽しい映画ではない。“復讐” をテーマにした凄惨な物語であって、全編を通じて、なんともいえないやりきれなさに包まれている。
にもかかわらず、観終わったあとに不快感はなく、むしろ 『映画を観た』 という満足感で満たされる。映像と芝居と音楽のコントラストが絶妙な軽味を生み出し、物語の血生臭さを中和しているのだ。その辺の匙加減が、巧い。
聞けば、演出面では非常にこだわりの強い、厳しい監督だという。そのこだわりの強さと厳しさが、ちゃんと作品の “質” となって現れていたと思う。
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晩飯は近所の中華屋で済ませる。小籠包、豚角煮ソバ、瓶ビール一本。