あちらこちらからお誘いをいただき、奇しくも、二週続けて信州を旅することになった。
先々週は、奥山田温泉 〔YAMABOKUスノーパーク〕 にて、久しぶりのスキー。
広々としたゲレンデに、上質のパウダースノー。ご機嫌で、すべって、転んで。
もちろん、温泉に浸かり、酔っぱらうことも忘れない。一泊して、翌日はスキーはせずに、須坂という町に寄り、ここで展示中の雛飾りを見る。
ひと口に雛飾りと言っても、大小さまざまなものが一堂に会し、その数なんと六千体にも及ぶ。中でも圧巻だったのは、呼び物の 〔三十段 千体の雛飾り〕。
人形を見ているんだか、人形に見られているんだか、だんだん判らなくなってくる。
これは、ちょっとすごかった。
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先週は、乗鞍にいた。
金曜日に会社をサボっ… いや、ちゃんと有休をとって、のんびりと、二泊三日の旅。なにをするわけでもなく、乗鞍岳のふもとの民宿 〔山栄荘〕 で、温泉と、酒。
観光も、一応、した。
白川氷柱群。
切り立った壁面をつたう清水が、真冬の厳しい寒さで氷結したもの。平日だからか、観光客はおらず、木曽の山中で、ひっそりと、神秘的なたたずまいを見せていた。
木曽路・奈良井宿。
旧中仙道の宿場町で、重要伝統的建造物群保存地区として、当時の町並みが今も残されている。
この日は、年に一度の 〔アイスキャンドル祭り〕 で、日が落ちると、街道沿いに並べられたアイスキャンドルに、ほのかな明かりが灯される。夜風は冷たいが、どこか、ぬくもりを感じさせる幻想的な風景。
今回の旅の目的のひとつは、これを見ることでもあった。
安曇野・白鳥の飛来地。
こんなに間近で、こんなにたくさんの鳥を、見たことがなかった。圧倒された。白鳥は美しかったが、たくさんい過ぎて、ちょっと怖かった。
一日目、二日目まではやや曇りがちの空模様だったが、三日目、これ以上ないほどの好天に恵まれ、宿からも乗鞍岳の姿がくっきり。
よく飲み、ぐっすりと眠り、清冽な朝の空気を思いきり吸い込んで、じつに清清しい。二泊して、九回、風呂に入り、四十の乾燥肌にたっぷりと潤いを含ませて、帰る。