今年のアカデミー賞受賞作品 〔アーティスト〕 を観る。
舞台は1920年代のハリウッド。映画が、無声からトーキーへと移り変わりつつあるその中で、人気が凋落してゆくサイレント映画のスターと、時代の波に乗り、あっという間に人気者になる新進女優、そんな二人の、恋の顛末を描く。
この題材を、敢えてモノクロ、サイレントで撮ろうと決めた監督の、その意気や良し。古風を装うことで、新味を出す。ずるいと言えばずるいのだが、これがまた、いいのだ。
主演のジャン・デュジャルダンの、いかにも往年のハリウッドスター然とした面構えも立派だったが、犬のアギーの名演 (?) が、それを上回っていた。
スタンダードのスクリーンサイズに、100分余という上映時間も、クラシックの趣き。休日に、さらっとこういう映画を観て、食事をして、ちょっと買い物をして帰るなんていうと、なんだか自分が池波正太郎にでもなったような感じがして、気分がいい。
*
さて、今夜はこれから、昔の仲間と久しぶりに会って、飲む。