今日も親戚筋への挨拶まわりで、朝から、埼玉県の羽生市へ向かう。
田山花袋の小説 〔田舎教師〕 の冒頭に、
『 四里の道は長かった。その間に青縞の市のたつ羽生の町があった。田圃にはげんげが咲き、豪家の垣からは八重桜が散りこぼれた。赤い蹴出しを出した田舎の姐さんがおりおり通った。』
とある、その羽生である。
四十年あまり生きてきて、昨日まで何のゆかりもなかった町が、ふとしたきっかけで、突如、昵近の地となる。縁とは不思議なものなり。
今日一日で五か所も挨拶してまわり、土産をどっさり頂いて、いま、帰宅。
少々くたびれた。風呂に入って、缶ビールを一本だけ飲んで、今日はもう、寝る。