昨夜。レイトショーで 〔終の信託〕 を観て帰る。
深い信頼関係を築いた患者から 『安楽な死』 を託され、苦悩の末にそれを実行した一人の女医。しかし、それはやがて世間の知るところとなり、彼女は 『殺人事件の被疑者』 として、検事の執拗な追及を受けることになる。
監督は周防正行。〔シコふんじゃった〕 や 〔Shall we ダンス?〕 など、ユーモラスな佳作を撮ってきた人だが、こういってはナンだが、この監督、ギャグの演出に関してはちょっと垢抜けないところがある。きっと生真面目な方なのだろうと推察するが、そういう意味では今作の方が、この監督の資質にぴたりとはまっていたように思う。
演出も、奇をてらうことなく、ワンシーンワンシーンにたっぷりと時間を割き、主演の俳優たちも、気の入った演技で、それに応える。
難しいテーマに真正面から取り組んだ硬派な作品で、見応えがあった。
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柿の木に、柿の実が生っている様子は、僕の好きな秋の風景のひとつ。
ミセスの実家にも、古い小さな柿の木が一本あって、それが実をつけているというので、手入れがてら、収穫に行く。
遠目にはたくさん生っているように見えるが、ほどよく熟れたものはすでに鳥に啄まれ、残っているのは収穫にはまだちょっと早いかな、というものばかり。
それでも、目を凝らしてよくよく見ると、イケそうなヤツがいくつかあったので、三つ四つ、もぎ取って、持って帰る。
果たして、甘いか、渋いかは、食べてみてのお楽しみ、といったところだ。