昨日。午後だけ有休をとって仕事を休み、都内の S 病院へ赴く。
ちょうど二週間前の深夜、身内の者が突然倒れてここへ運び込まれ、そのまま入院しており、その病状と経過、今後のことについて、医師から説明をうける。
病名は 〔脳幹出血〕 といい、脳出血の中でもあまりタチのよくない症状だという。幸い一命は取り留め、当初は集中治療室に入れられていたが、いまは容態も安定し、一般病棟に移り、すでにリハビリも開始している。
後遺症が残っており、したがって一人で動くことは困難だし、ろれつも回らないが、それでも、頭ははっきりしていて、耳もよく聞こえ、ゆっくりならば会話も出来る。
「もう酒も煙草も、飲めないし、吸えないからね」
「残念ダネェ」
「家にある煙草、ぜんぶ処分しちゃうよ」
「仕方ナイネ。・・・デモ、一本ダケ残シトイテ」
などと軽口を叩き、見舞いに来る者を笑わせたりもする。
気分的には健常者と変わらないが、身体がちょっと動かないだけ、といった感覚のようだ。「だけ」 と言っても、このハンデ、あまりにも大きいけれど。
ただ、リハビリの効果は目に見えて現れてきており、この二週間だけで、だいぶ手先を動かせるようになったし、言葉も聞き取り易くなってきている。
この調子なら、いずれ社会復帰もあり得なくはないなと、すこし明るい気分になる。
しばらくは、自宅と病院とを往復する週末が続くことになりそうです。