ここ数日、朝晩、ぐっと冷え込み、我が家の近所の街路樹も一気に色づきはじめた。
日中の陽射しは穏やかに、強からず弱からず、すこしずつ大気を温めてゆく。このような日を、まさに 〔小春日和〕 というのだろう。気分がいい。
朝飯は、大根の味噌汁に、玉子がけ御飯。
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病院にて。
リハビリは順調に進んでいるのだが、ひとつ困ったことが起きた。入院当初、55キロだった体重が、68キロにまで増えてしまったのだ。
病院での食事の量が足りず、見舞いに行くたびに 「お腹すいた、お腹すいた」 と訴え、差し入れのパンやおにぎりをみるとすぐに手を伸ばしていたのを、先生も 「すこし痩せすぎだから、まあ、いいでしょう」 と、大目にみてくれていたのだが、ここへきて急遽食事制限がなされ、自由な飲み食いが出来なくなってしまった。
本人は背が高く、身長に比して68キロならば、数値的にはまだ “標準” の範囲なのだが、さすがにこの急激な増加は 「見過ごせない…」 ということになったようだ。
単調な入院生活の中で唯一ともいえる 「食べる」 楽しみを取り上げられて、本人、いまちょっとシュンとしている。