女優で映画を選ぶことはあまりないのだが、エイミー・アダムスは 「この人が出ているのなら、観てみよう・・・」 と思わせる数少ない女優の一人。
今回彼女が演じるのは、突如地球に現われた異星人とのコミュニケーションを図るべく、人類代表として選ばれてしまった言語学者。いつも、なにか、ちょっとだけ変な役どころなのだ。
こだわりを感じさせる映像美、繊細な音楽、俳優陣の好演と三拍子そろって、緊迫感に満ちた物語がトントンと展開する。 派手さはないが、演出のテンポは快調。監督のドゥニ・ヴィルヌーヴの手腕が冴える。
あとで考えれば脚本には相当粗っぽい部分があるのだが、観ている間はそれを感じさせない格調の高さのようなものもあって、どこか、テレンス・マリックの映画を観ているようでもある。
前半の出来は、すごくいい。
ただ後半は、やや気負ったとみえる。フラッシュバックを多用して、平明な物語を、わざわざ複雑に作り上げてしまった。
賛否あるだろうが、描こうとするテーマ自体はシンプルでわかり易いものなのだから、もっと素直に撮ればよかったのではないかと、個人的には思う。
エイミー・アダムスは、やっぱり良かった。
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そもそも十数年前に 〔銀座日記〕 を読んだ胡乱亭が、「池波正太郎ごっこ」 をしてみたくなってこのブログを始めたという経緯がある。
途中から、池波センセイとはだいぶ違う方向へ行っちゃっているけれど、十年という節目を迎え、改めて原点に戻ってみよう。
まずは形から。
横浜の高島屋に入っている 〔野田岩〕 で、瓶ビールを飲み、中入れ丼を食べて、帰ってくる。