今日も出社して、会社移転の際に出た大量のゴミの後始末をする。
最終的な処分は専門の業者に任せるにしても、引き渡す前にある程度の分別はしておかなくてはならないのだ。
例えば、ファイルで保管していた資料は、金物のリングのついたファイルからビニール製のクリアケースをはずし、中の紙の資料を全て抜き取ってゆく。古い CD-ROM はケースから出し、シュレッダーにかける。二階のゴミを一階に降ろすだけだって、量が量なだけに、ひと仕事だ。
自分で言うのもナンだが、僕は、見た目だけは几帳面そうに見えるので、こういう作業はきちんとこなすと思われがちなのだが、じつは全くそんなことはなく、分別したものは 「どうせ捨てるんでしょ」 と、ポイポイそこらに放ってしまう。逆に、パッと見はいかにも豪快で、そんなことには無頓着なように見える同僚の T さんなんかは、外したファイルも丁寧に重ねてきれいに積み上げゆく。ゴミ処理ひとつにも性格が出るのが、面白い。
四十五年分の溜りに溜ったゴミの山。朝から始めて夕方までかけ、ようやくどうにか半分くらい終える。こりゃ、来週末も出るようかな。
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家に帰って、晩飯。今夜は僕の好物の鶏モモ焼きとグラタンが並ぶ。
胡乱亭、明日は四十六歳の誕生日。奇しくも、いまの会社の創立と同じ年に産声をあげたことになる。
なるほど、老廃物も溜まるわけだ。