やっぱり、と思い直して、鎌倉へ行くことにした。
朝7時に家を飛び出し、特にコースも決めず、まずは北鎌倉で降りて、円覚寺へ。
境内の奥、小高い丘の上から、うっすらと、でもきれいな富士山が見える。
源氏山公園へ至るハイキングコースを行く。
汗をかきながら登り、降りる。暑い。寒かろうと思って着てきたダウンジャケットが、余計な荷物になるばかり。
人気のない山中で歩を止めると、風の音、木々のざわめき、鳥の声がやけに大きく聞こえる。
キツツキが木を突く音を、初めて聞いた。
こんな道を、鎌倉武士たちは騎馬で駆け抜けたという。
源氏山公園から銭洗い弁天を経て、佐助稲荷神社へ。
朱塗りの鳥居と幟が延々と続く参道を抜けて境内に入ると、苔むした祠と狐の置物が点在し、摩訶不思議な雰囲気が漂っている。数多い鎌倉の神社仏閣の中でも、飛び抜けて異色の社。
鎌倉駅に到着。早朝から、飲まず食わずでここまで歩き続けて、ようやくお昼。
小町通りの〔天青〕で天ぷらと、生ビール一杯。
目の前のカウンターで一品一品揚げて出してくれるのはいいのだが、そのタイミングの早いこと! 食べるそばから次から次へと出てきてしまうので、コース7品、30分程で終わってしまった。ランチだから仕方ないのかもしれないが、天ぷらはやはり、もう少しゆったりとした気分で食べたい。
店を出て、もうちょっと何か… と思い、〔露西亜亭〕のピロシキを一個買って、食べ歩きながら、鶴岡八幡宮に向かう。
大銀杏など、見ごろを迎えてさぞきれいだろうと思いきや… この御神木、悠々たるもので、これっぽっちも色づいていない。
鎌倉の秋は遅く、11月も半ばを過ぎたというのに、紅や黄色の風景がなかなか見あたらない。
土産は、〔CHICCHIRICHI (キッキリキ)〕のラスク。
家に帰ってさっそく、このラスクにクリームチーズをのせて、赤ワインを飲む。